結論から先に:赤ちゃんが寝ないときは、まず「寝かしつけ」「夜泣き」「寝ぐずり」のどれなのかを切り分けると対処が決まります。寝かしつけは就寝前の刺激(スマホ・テレビのブルーライト、日中の興奮)を減らして環境とルーティンを整える。夜泣きは原因が特定できないことが多いので生活リズムを固定して親が消耗しない体制を作る。寝ぐずりは不快や不安を言葉にできない状態なので、寄り添って環境を変える。この記事はその3つを1本にまとめた完全版です。
「寝かしつけ」「夜泣き」「寝ぐずり」はどう違う?
| 状態 | 起きていること | まずやること |
|---|---|---|
| 寝かしつけがうまくいかない | 日中の刺激や就寝前のブルーライトで脳が興奮したままになっている | 寝る前の環境とルーティンを固定する。スマホ・テレビを切る |
| 夜泣き | 原因ははっきり解明されていない。乳児疝痛、眠りのリズムの未定着、生理的不快の処理が未熟などが挙げられる | 起床・昼寝・就寝の時間を固定する。夫婦で交代し親の睡眠を確保する |
| 寝ぐずり | 生理的な不安や不快をうまく処理できない発達過程の現象。人見知りや後追いとも関係する | 声をかけて寄り添う。姿が見える位置に移す。環境を思いきり変える |
どれも「しつけの失敗」ではありません。発達の過程で起きることなので、うまくいかない日があって当然です。
寝かしつけがうまくいかないのはなぜ?
なぜ赤ちゃんは寝てくれないのか?
どうして赤ちゃんは、なかなか寝てくれないのか……。
寝ない原因は生活の中にある?
日中の楽しかった(悲しかった)体験が刺激となり、脳の興奮状態が続いている
赤ちゃんにとって、毎日が新しい体験。
その体験が強い刺激となり、興奮状態が続き、就寝時間になってもなかなか寝つけないことにつながる。
赤ちゃんの脳は常に発達しており、「今日はいつもと違う体験をした」という物事をきちんと区別している。
理解する認知機能や記憶力などが発達しているからこそ、興奮した状態となり寝られなくなることもある。
大人でも、嬉しいことがあったり、悲しいことがあったりした日は、興奮してなかなか寝つけないこともあったのではないか。
就寝前のスマホやタブレット、テレビが脳を興奮させている
スマホやタブレット、テレビの画面は、ブルーライトを常に放っている。
ブルーライトとは、「青空の波長=昼の波長」。
そのため、脳が「今はお昼だ」と勘違いしてしまい、睡眠に必要なメラトニン(ホルモンの一種)の量が減ってしまい、眠気が吹き飛んでしまう。
赤ちゃんが求めるままにスマホなどを見せてしまうと、ますます寝られなくなってしまうので注意。
寝かしつけのコツと具体的な方法は?
一緒に寝るつもりで布団の中に入る
ママパパもリラックスして、優しくトントンしながら寝かしつけることで、赤ちゃんも安心して眠りに入ることができる。
一緒に寝るとなると、「20〜21時」と早い時間帯に寝ることになる。
早く寝た分、朝早起きして朝活に時間を回そう。
子どもがいるとどうしても、ひとり時間がなくなってしまう。
やり残した家事や自分のやりたいことに時間を活用しよう。自ずと良い習慣が身に付いてくるため、一石二鳥。
リラックスして眠れる環境作りを心がける
部屋を暗くしたり、生活音をできるだけ抑えたり、室温調整をしたりと眠れる環境を作ってあげることが重要。
子守唄を歌って(流して)、そのまま寝たふりをすると一緒に寝てくれることもある。
一連のルーティン化を図ることも良い方法。
それでもなかなか寝てくれない場合は、お昼寝の回数や時間を調整したり、パパと協力して順番に寝かしつけたりなど試行錯誤しよう。
また、寝る前のスマホやテレビは極力やめよう(大人も)。
寝る前の90分前にお風呂(40℃前後)に入ると良い。寝る時には、深部体温が1℃下がり、眠気が誘発される。
食事は、寝る前の3時間以上を空けて済ませる。食後は、食べ物の消化吸収などで内臓が活発に働くため、寝つきが悪くなる。
とにかく、心身ともにリラックスした状態で寝ることがベスト。
子育ての悩み「寝かしつけ」。ママパパお助け【スワドルアップ】
夜泣きの原因と対策は?
夜泣きの原因は解明されているのか?
夜泣きの原因は、まだはっきりと解明されていないことが多い。
原因のひとつとして、「乳児疝痛」が挙げられる。
「乳児疝痛」とは
1日3時間以上、特別な理由もないのに激しく泣くことが週3回あり、それが3週間以上続く場合に当てはまる。
乳児疝痛の改善に効果があるか否かはまだ不明確だが、「腸内の善玉細菌を増やすこと」が有力視されている。
また、「眠りのリズムが定着していない」、「生理的な不快感をうまく処理できない」など、まだ発達の過程にあるためとも言われている。
生後6ヶ月頃から、「午前」「午後」「夜間」とそれぞれまとめて眠る3回の睡眠リズムができてくる。
生後8ヶ月時点の赤ちゃんでも、まだ睡眠リズムが不安定であるため、夜中に何度も起きてしまうことは多々ある。
今の段階では割り切って、「長く眠るための練習時期」と考えて、できる範囲で配慮してあげること。
夜泣きにはどう対策すればいい?
親・子ともにリラックスして安心感が生まれる環境を作る
ママパパがイライラしていると、赤ちゃんも気持ちを察知して、不安定な気持ちになりやすい傾向。
あやす時は、しっかり深呼吸をして、リラックスした状態で抱っこしてあげること。
仕事や家庭のことで、色々と悩み事はつきないが、育児には極力持ち込まないようにしよう。
それでも、泣き止まずにイライラしてしまうことがある。完璧な親はいない。
どうしようもない時は、周囲(家族、親戚、行政など)の協力を得ること。
赤ちゃんの立場に立って「思ったこと」「してあげたいこと」を実行する
赤ちゃんの夜泣き対策については、「〇〇した方がよい」などたくさんある。
しかし、1番はママパパが赤ちゃんの立場に立って、「その時にして欲しいこと」「してあげたいこと」をそのまま実行してあげることが重要。
個々で泣いている原因は異なり、赤ちゃんそれぞれで快適な環境も違う。
より正解に近い答えを知っているのは、何よりも身近にいるママパパ。
「抱っこをする」、「ミルクをあげる」、「背中を優しくトントンする」、「好きな音楽を流す」、「部屋を暗くする」、「温度管理をする」など、今現在の赤ちゃんに必要だと思うことは、どんどん実行しよう。
生活(睡眠)リズムを整える※1日3回の睡眠
例えば、
⇓
午前10時前後【午前の昼寝】
⇓
午後2時前後【午後の昼寝】
⇓
午後9時までに就寝
ママパパの仕事の関係で、生活リズムは異なるため、【例】の通りにしなくてもいい。
ひとまずは、決まった時間に「起床」「昼寝」「就寝」すること。
子育ての悩み「寝かしつけ」。ママパパお助け【スワドルアップ】
寝ぐずりの原因と対策は?
寝ぐずりとは何が起きている状態?
ぐずりとは、「生理的な不安感をまだうまく処理できない」など、発達過程で起きうる1つの現象。
ママパパは、ぐずりが長引くと悲しくなったり、イライラしたりするかもしれない。
しかし、赤ちゃんもどうしたらいいのか分からなくて困っている状態。
ママパパが、「優しく寄り添ってあげること」が何よりも大切。
ママパパの姿が見えない時のぐずり
どうして、ママパパの姿が見えなくなるとぐずるのか。
それは、「親子の愛着が築かれている証拠」。
生後8ヶ月頃の赤ちゃんから、「人見知り」が見られてくる。
安心できるママパパと他人の区別がつくようになり、安心できるママパパがいないことで不安になって泣いてしまうことが多々。
ちなみに、1歳6ヶ月頃からある程度予測できる力が育ち、ママパパの姿が見えなくても泣かなくなり、言葉やジェスチャーで徐々に伝わるようになってくる。
姿が見えないときのぐずりにはどう対応する?
赤ちゃんのそばを離れるときは事前に声かけをする
赤ちゃんのそばを離れる時は、「洗濯物を干してくるから待っててね」など理由を説明する。
もちろん、説明しても理解はむずかしく、泣いてしまうことが多々。
その時は、「ごめんね、すぐに戻ってくるからね」など、優しい声かけをしてあげよう。
言葉の意味はわからなくても、このやりとりを続けることで赤ちゃんも空気を察して、安心できるようになってくる。
ママパパの姿が見えるところに移動する
生後8ヶ月頃の赤ちゃんは、ある程度視力や視野の機能が発達している。
そのため、自分の目でママパパの姿が確認できると比較的安心できる。
すぐに戻ってこれない場合は、できるだけ同じ空間に移動させる。
しかし、キッチンや段差があるところなど危険を伴う場所では、事前に配慮しておこう。
理由がわからない時のぐずり
そもそもどうしてぐずるのか。
「わからないこと」や「生理的な不快感」からくるぐずり
生後8ヶ月頃の赤ちゃんは、ある程度「わかること」と「わからないこと」の区別がつき始める。
しかし、自身ではまだはっきりと区別がつかない世界で生きている。
「眠いのか眠くないのか」、「お腹が空いているのか空いていないのか」など、生理的な不快感からぐずりの原因につながる。
ママパパの不安な気持ちからくるぐずり
ママパパのイライラや緊張感などの負の感情は、赤ちゃんにしっかり伝わる。
赤ちゃんがぐずり続けると、親もイライラがつのる。
「怒っちゃいけない」と自分自身を強く抑え込み、余計にイライラ……。
負の感情は赤ちゃんにも伝わってしまい、赤ちゃんも不安定になり、悪循環に陥っていく。
理由がわからないぐずりにはどう対応する?
気持ちをなだめながらゆっくりと声かけをする
おむつやミルク、空調(室温)管理などを行っても、ぐずりが落ち着かない。
その場合は、赤ちゃんを優しく包み込むように抱きかかえ、「嫌だったね」など、ゆっくりと声かけをしてあげよう。
ゆっくりと声かけを行うことで、赤ちゃんに安心感を与える。
また、ママパパ自身も一呼吸おいてゆっくり声をかけることで、落ち着いて心に余裕が生まれてくる。
これを続けることで、自分の気持ちをコントロールする能力につながってくる。
気持ちを切り替えるために環境を思いっきり変える
どうしても、ぐずりが落ち着かない時や優しく声かけをする余裕もない時は、思い切って環境を変えよう。
「屋外へ散歩に行く」、「お風呂に入る」、「おやつ(ミルク)をあげる」、「抱っこしてスクワットする」など、自分自身も気分転換することがポイント。
環境の変化を楽しんだり、気分転換できるようになることで、自分自身の気持ちを切り替えられるようになってくる。
それでも寝ないとき、頼れるアイテムはある?
環境もリズムも整えたのに寝ない、という時期はどうしても来ます。そのときに検討したいのが、モロー反射で起きてしまう赤ちゃん向けのおくるみです。我が家で実際に使ったものは、こちらで詳しくレビューしています。
親のほうが限界のときはどうすればいい?
寝かしつけで本当にしんどいのは、「終わりが見えないこと」と「自分の睡眠が削られること」です。とくに刺激に敏感な気質のある人は、泣き声そのものが強い負荷になります。
親が潰れないための3つの決めごと
- 交代制を先に決めておく:その場の空気で決めると、必ずどちらかに偏ります
- 寝かしつけの時間を上限で区切る:「30分やってダメなら交代」と決めるだけで気持ちが軽くなります
- 行政・家族を使う:一時預かりや訪問支援は「甘え」ではなく制度です。自治体の窓口に相談してください
よくある質問
夜泣きはいつまで続きますか?
個人差が大きく、はっきりした終わりの時期は決まっていません。生後6ヶ月ごろから午前・午後・夜間とまとまった睡眠のリズムができてくるため、生活リズムを固定することが遠回りに見えていちばん効きます。
乳児疝痛とは何ですか?
特別な理由がないのに1日3時間以上激しく泣くことが週3回あり、それが3週間以上続く状態を指します。夜泣きの原因のひとつとして挙げられますが、確立した治療法があるわけではありません。長く続く場合や様子が普段と違う場合は、小児科に相談してください。
寝る前にスマホやテレビを見せてはいけませんか?
就寝前は避けたほうが無難です。画面のブルーライトは昼の光に近い波長で、脳が「まだ昼だ」と勘違いし、眠りに必要なメラトニンが減ってしまいます。求められるまま見せると、さらに寝つきが悪くなります。
抱っこしないと寝ません。抱きグセになりませんか?
抱っこでクセがつくことを心配する必要はありません。むしろ安心して眠りに入るための土台になります。ただし親の体力には限界があるので、トントンや添い寝など「抱っこ以外でも寝られる入り口」を並行して作っておくと後が楽です。
パパが寝かしつけると泣かれてしまいます。
人見知りや後追いの時期には起こりやすいことです。愛着が育っている証拠なので、パパが下手なわけではありません。日中の関わりを増やしながら、いきなり夜だけ交代するのではなく、寝る前のルーティンの一部(お風呂・絵本など)から入っていくとうまくいきやすいです。
寝かしつけの理想の就寝時間は何時ですか?
一緒に寝るつもりで布団に入るなら20〜21時が現実的です。早く寝た分、朝の時間を自分のために使うほうが、夜に自分時間を確保しようとするより成功しやすくなります。
月齢別の発達も合わせて確認しよう
寝ない理由は、その時期の発達段階と結びついていることが多いです。月齢ごとの目安はこちらにまとめています。
この記事を書いた人:プリモン
HSS型HSPの自覚がある30代・2児のパパ。療育センター、総合病院、障害者支援施設・就労支援施設、放課後等デイサービスと医療・福祉業界で転職5回。男性育児休業を2回・合計7ヶ月(1ヶ月+6ヶ月)取得し、その生活を体験記として公開しています。HSP・働き方・子育てをテーマに『繊細パパの教科書』を運営。
※子どもの発達には大きな個人差があります。本記事は目安であり、診断や医学的判断の代わりにはなりません。気になる様子があるときは、かかりつけ医・自治体の保健センター・地域の発達相談窓口にご相談ください。